皆さま、ガーデンデザイナーのピート・アウドルフさんをご存知ですか?
今回のブログでは、今、世界で最も影響力のあるガーデンデザイナーの一人と言われるピート・アウドルフさんをご紹介したいと思います。
ダッチウェーブの先駆者
オランダでは、1990年代中頃からガーデンデザイナーであるピート・アウドルフさんを中心に、自生する植物や宿根の植物を使ってローメンテナンスを実践する自然主義の植栽「ダッチウェーブ」と呼ばれるムーブメントが起こります。
この「ダッチウェーブ」は、地球の温暖化による気候変動の影響など、自然環境への関心の高まりとともに世界中に拡がり、NEW PERENNIAL PLANTS MOVEMENT(新しい宿根草のムーブメント)として知られるようになりました。
ピート・アウドルフ(Piet Oudolf)さんは、1944年オランダ生まれ。1982年に東オランダの小さな村フメロで、妻とともにナーセリーをオープンし、ガーデン・ランドスケープデザイナーとして活躍。その庭は、自生する植物や宿根草を中心とした持続可能な庭づくりで有名となりました。
彼が手掛けた庭は、ニューヨーク・マンハッタンの空中庭園「ハイライン」、「バッテリー・パーク」、シカゴ・ミレニアムパークの「ルーリー・ガーデン」、イギリスの「ハウザー&ワース・サマセット」など多数あります。
その中でも、廃線となった高架線路跡を空中庭園に変えた「ハイライン」プロジェクトで植栽デザインを手がけ、世界中にその名が知れ渡りました。
ハイラインの保存活動
ハイラインは、もともと産業用物資を運ぶため貨物輸送路としてニューヨーク・マンハッタン最大の工業地区に建設されました。工業地区の衰退とともに1982年には廃線となりましたが、残された高架線路上は風や鳥などが運んできた野草(雑草)が生い茂り、20年以上も手つかずの自然として残っていました。
貨物輸送路としての役目を終えたハイラインは、撤去されることがすでに決まっていましたが、そこで育まれた豊かな自然環境と歴史的遺産を守ろうとする2人の青年の活動が次第に注目され、2002年、新たな公園の建設計画が進められることになりました。
ハイラインの庭園デザインを任されたピート・アウドルフさんは、ニューヨークで自生していた植物に加え、乾燥に強い宿根草などを利用して、できるだけ自然に近い環境を作り出しました。植物の誕生から成長、冬の寒さで枯れた姿にも美しさを見出して、四季とともに変化する植物の魅力を伝えています。
また、空中庭園の中には線路のレールがそのままの姿で残され、時代の流れを今に伝える役割も果たしています。
人々の意識を変えたガーデンデザイナー
出典元: Piet Oudolf, Rick Darke, Gardens of the High Line, (Timber Press, 2017)
ピート・アウドルフさんは、再開発したハイラインに、かつてニューヨークに自生していた野草を取り入れたことで、「雑草」の持つ美しさを人々に気付かせてくれました。庭の景観だけではなく、自然に対する認識まで変えたデザイナーでもあります。
世界で賞賛を浴びるピート・アウドルフさん。
2018年を最後に、オランダにある自宅ガーデンの一般公開が終わってしまったのですが、Instagramでは季節を問わずガーデンの様子が発信されています。
ロハスガーデンズの考えるサステナブルな庭づくり 特集記事です
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よかったらご覧ください。
「常に人が手をかけなくても、自然の持つ力を生かして、植物のあるがままの美しさを伝える」ピートアウドルフさんの庭づくり
ロハスガーデンズはピートさんの庭に対する考え方に感銘を受けています
雑草が生えて困っている、土の部分をなんとかしたい、庭のスペースを有効利用したい、といったお悩みの皆さまに「手間のかからない庭」をご提案します
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