ロハスガーデンズの考える
メンテナンスフリーの庭
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私たちが人工芝をおすすめしない5つの理由
自宅の庭を緑の芝生で敷き詰めたい。でも、芝はお手入れも大変だし、忙しくてそんな時間もない。
そのような理由から、「人工芝」の施工を希望されるお客さまも増えています。
「人工芝」は、「天然芝」のように刈り取ったり、お手入れをしなくてもいいですし、雑草も生えてくることがない。さらに何もしなくても景観が整っており、一年中鮮やかな緑で私たちの目を楽しませてくれます。
忙しい現代人にとって、お手入れが面倒な「天然芝」よりも「人工芝」の方が現実的で、得られる効果も大きい。
そのように考える傾向が強まっているのは事実だと思います。
しかし、ロハスガーデンズでは、「天然芝」の代わりとしての「人工芝」をおすすめしたくありません。
その理由は5つあります。
人工芝の導入を検討されている方は、まずご一読いただければと思います。
人工芝の掃除はしなくてはならない
人工芝は外に置かれたインテリア
意外と語られていないのですが、人工芝はいわゆる人工物ですから、掃除をしなくてはなりません。
リビングの床と同じように(毎日というわけではないですが)掃除をしなくてはなりません。
ましてや、家の中ではなく、戸外に敷き詰めているので、ホコリやゴミ、庭の植栽の落ち葉などあらゆるものが人工芝の上に落ちてきます。風の強い日などはなおさらです。これをそのまま放っておくわけにはいかないでしょう。
施工後に初めて気づくケース
人工芝は天然芝と比べてお手入れをしなくてもいいという印象がありますが、実際に敷き詰めた後、しばらくすると掃除をしなくてはならないという事実に直面します。
インターネットで「人工芝」を検索すると色々な情報が語られていますが、「掃除をしなくてはならない」ということは、なかなか語られていないようです。ロハスガーデンズではまずこの点をきちんとご理解いただくようにしています。
人工芝は自然の循環を妨げる
人工芝では落ち葉がただの「ゴミ」になる
天然芝に落ち葉が落ちるのは「自然」ですが、人工芝の上の落ち葉は「ゴミ」となります。
なぜかというと、天然芝に落ちた落ち葉は放っておいても、やがて栄養となって土に還るからです。
しかし、人工芝の上ではゴミのままです。枯れて粉々になっても土に還らないし、美しい緑の上で景観と秩序を乱す厄介な存在となっていくでしょう。
人工芝は土地の表面に設置されることで、自然界の循環を遮断しているのです。
自然の育みを生かした庭づくりこそ持続的でメンテナンスフリー
自然界の循環を断ち切るということは、それだけ人間がお手入れをしなくてはならないということです。
そういった意味では、人工芝だから天然芝よりもお手入れをしなくても良い、とは言い切れないと思います。
私たちは、植物の生きる力、自然界の持つ豊かな育みと恵みを活かしたお庭づくりを提案しています。
自然界の循環と景観、そして、無理のないお手入れが実現できるようなトータルな設計で、お客さまのライフスタイルに合わせた天然芝との付き合い方をご提案いたします。
人工芝は5〜10年程度で磨耗する
家の塗り替えの時期に張り替えが必要
「人工芝」はポリエチレンやウレタンなどの合成樹脂で作られている資材です。下地のシートと表面のパイルで構成されており、美しく整った理想的な景観を作り出しています。
天然の芝生は、冬になると休眠するため秋色に変化しますが、「人工芝」は1年中、緑のままです。
しかし、当然のことながら、ポリエチレンやウレタンは雨や紫外線などを受け、劣化していきます。主にパイルの劣化による変色などが起こり、物にもよりますが、最長でも10年程度で交換が必要と言われています。新築の家も10年程度で壁の塗り替えなどを行うように、最長でも10年を目安に人工芝の張り替えを行う必要があります。
天然芝は劣化しません
天然芝は、一度植えてしまえば、張り替えは必要ありません。
もちろん、お手入れは必須です。
購入に費用がかかる
人工芝は天然芝の約10倍のコスト
さて、天然芝と人工芝を検討なさる場合に、一番悩まれるのがコストの問題です。
一般的に、天然芝は人工芝の導入コストの約1/10といわれています。
また、前項でご説明したように、人工芝は劣化します。最大でも10年後にはまた同じ金額をかけて張り替えを行う必要があります。
その場所に何年住み続けるかということから考えると、景観の維持のためにコストがいくらになるか、そういった観点からも導入を検討されるのが良いと思います。
用途や限定的な利用については効果的
ただし、人工芝は、天然芝と違ってどこでも設置できるというメリットがあります。
コンクリートの上にも設置できますから、天然芝が自生できない場所や、人の通りが多い場所など限定的に導入するのは良いかも知れません。
ロハスガーデンズでは、ご自宅のお庭全体のスペースや、日照条件、風通し、方角、ご自宅の窓の位置などあらゆる条件を鑑み、さらに時間軸も考慮した設計をご提案いたします。ですので、お見積もりの作成についてもまず現地に伺い、状況を確認させていただきます。
季節が感じられない
1年中同じ景観はメリットか?
人工芝は「1年中、同じ景観を楽しむことができます」というメリットがあります。
天然芝は冬には秋色に変わり、やや寒々しい印象に感じられますが、人工芝は毛並みの揃った美しい緑の景観が保たれます。
しかし、果たしてそれはメリットでしょうか。
日本には四季があり、その季節の移り変わりを楽しむ文化があります。
冬の寒さを耐え忍ぶ景観から冬を感じ、緑が生まれ、春の訪れを目で感じることができ、初夏の眩しい緑に溌剌とした若さを感じ、秋の色から、ふと自分を日々の忙しさに忘れていた感情を思い出すことができます。
また、ハロウィーンやクリスマス、お正月の時期に、青々とした芝はミスマッチと思います。さらに、お庭の植栽が紅葉したり、枯れている時に芝生が緑のままでいるのは、あまり気持ちの良いものとは思えません。
メリットか、デメリットか、それをどう捉えるかは、私たち次第のように思います。
まとめ
天然芝は、そのまま放っておけばどんどん伸びてくるので、刈り取らなくてはなりません。さらに、雑草が生えてきますから、その雑草を抜き取らなければなりません。
たとえ、小さなスペースのお庭でも、梅雨の時期や夏の暑い日にこの作業をするのは、決して楽なことではないでしょう。
対して、人工芝は、伸びることはなく、また敷き詰めたエリアには雑草が生えてくることはありません。
この点において、人工芝を選択する方が増えてきたことは事実だと思います。
労力と手間を考えると、お金で解決した方が良いのではないかという考え方です。
しかし、私たちは、改めて、「手間か、お金か」という単純な比較ではなく、実際の導入後のお手入れやお悩み、また、長い年月を鑑みた比較を行った方が良いと考えました。
高度経済成長期に作られ老朽化した施設などを訪れると、人間の作った建物や建造物は見るも無残に朽ち果てていますが、その場所に植栽された植物は、いまも50年前の輝きを保っています。
人間の作ったものは、「交換」が必要ですが、自然のものは新陳代謝していきます。
私たちはもちろん、子どもたち、孫たちに残していけるものはどちらか。未来に向けて持続的な設計とは何なのか、そういった観点からの検討をしてみても良いかと思います。
ただし、ロハスガーデンズでは、天然芝をお勧めする訳ではありません。
これまでお話しした理由から、人工芝はロハスではないけども、天然芝もお手入れが必要です。
人工芝を敷くのであれば、別のアプローチをご提案したいと考えています。
テラスやウッドデッキを作る、天然石を敷き詰めるなど、いくつかのアプローチがありますし、お手入れの少ないメンテナンスフリーの庭づくりをご提案させていただきます。